自然治癒力を高める方法とは?膵臓癌の方から大切なことに気付かされました。

名古屋市千種区の鍼灸整体「あすなろ治療院」の林です。

数年前の話です。
膵臓癌で余命3か月を宣告されて、

「病院に見放された…」と

話す方が来院されました。

開腹手術したものの、
予想以上に癌が進行していて手の施しようがない

と予定していた手術内容を中断して
そのまま閉じて終わったとのことでした。

手術後の負担も大きく食べてもすぐに吐いてしまって
体重が落ちて心身ともに衰弱した状態でした。

あまりにも難しい状況に、当時の私は途方に暮れてしまいました。

 

あきらめかけてた時
その方との会話の中で、

「先生、再来年の娘の成人式まで私は生きていたい。
 それが望みです。」

と切実に話してくれました。

それを聞いた私は、
力になりたいと思い直し、できることを模索しながら
誠心誠意に施術させていただきました。

内臓調整を続けてゆくうちに胃腸が回復し、
少しずつ食べれるようになり、体重も徐々に増えてゆきました。

その頃、私は心理学の勉強を進めていたので
心のカウンセリングを並行させてゆきました。

私にできることだと思ったからです。

 

人は死に直面して初めて自身と真剣に向き合い、
現実を受け入れて、やっと本当に大切にしたいものに
気付くことができるのかもしれません。

心の開放が進むに従って
家族のコミュニケーションが自然と増えてゆき、
家庭内の関係が良好になってゆきました。

過去に囚われずに、その方なりの
本来の自分が望む幸せの在り方に気付かれた時に、
心のエネルギーと笑顔が増えてゆきました。

そして、気が付けば
3か月だった余命は少しずつ伸びてゆきました。

ある日のことです。

「先日、娘の成人式を迎えることができました。
 ありがとうございました。」

と、うれし涙を流しながら報告してくれました。

あの時の笑顔を今でも鮮明に思い出します。

そして、余命宣告から3年目に、
家族に見守られながらその方は他界されました。

 

私はこのAさんとの関わりを通じて
色々なこと気付かされ、大切なことを教わりました。

来院される方の症状を早急に改善させることは
もちろん重要ですが、それと同時に

その方なりの幸せの在り方を尊重し、寄り添ってゆくことの大切さ。

幸せの在り方は本当に十人十色で、
他人が勝手に決めたり押し付けるものではなく
その人が自分で自由に決めることができるのです。

技術や薬だけで病気や症状が改善するのではなく、

本人の意思の力、本人の幸せの在り方、
家族や周りの方々の想いとみんなで協力してゆくこと。

そういった環境が満たされてゆく程に
自然治癒力が最大限に生きてゆくんだ。

ということに、私は気付かされました。

 

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